Karikomu

「かりこむ」は、八雁短歌会員を基とした短歌を学ぶ場です。

本日の一首

  醜さを隠してきのふけふの雪 詫びねばならぬひと幾人か  

   中西敏子 『天のみづおと』 ながらみ書房 (2011)p43

 

 今日の一首は、同じ「八雁」に属するⅠ上氏よりご紹介頂いた歌人の歌である。歌集を通読し、始めに感じた感覚を一言で表すと「透明感」であった。「透明感」、こんな感想で良いのだろうかと所在ない思いでいたら、跋文(山名康郎氏)の一行目に「中西敏子さんの歌に良質の透明感があるのは、……」とある。安心した。日常と内省の取り合わせがこの上なく妙であり、久しぶりに、この様な歌を詠いたいと思った。