Karikomu

「かりこむ」は、八雁短歌会員を基とした短歌を学ぶ場です。

本日の一首 ー 玉城徹

学ぶこと第一。第二は作ることぞ。人に知られむは末の末かも

  玉城徹 『玉城徹全歌集』 いりの舎 (2017)  

<メモ・感想>

最近、更に、ぼやっと生活をしてしまっている。掲出歌は、私がちょうど眼を痛めて、焦りに焦っていた際に、阿木津英氏より知らされた一首である。その当時、私の毎日は短歌のことで頭の中がいっぱいだった。父の看護と少々の短歌関連の仕事にあっぷあっぷし、結果、作歌が最も疎かになっていた。この歌を覚えていたのは、ごく単純且つ至極当然の作歌姿勢を、強くお示しになられていたからである。その当時は、末の末のことは誰にも分からないの箇所に納得していただけであるが、今は異なる。学んで作る。作りながら学ぶ。その終着点に何が待っているかは分からない。歌集すら出せずに一生を終えるかも知れない。でも、作りながら、本当に自分の、言いたい事、伝えたい事、感動した事を詠い、出会えてよかった一首をより多く、広く、深く知る事。そして、その行程の「質」を高めていく、それが、歌と共に生きてゆく上で最も慎重に志すところであり、その様な気概を持つことが人生の悦びだと、私なりに受け止めている。玉城徹氏に「一生、読み、一生、詠む、それでいいのだ」と、大きな判子を押された気持ちになった。