本日の一首 ー 釋迢空
人も馬も道ゆきつかれ死にゝけり旅寝かさなるほどのかそけさ
3年以上前だろうか、大川さん(八雁短歌会員)と一緒に勉強していた時期があった。その時に、大川さんが分からない歌として掲出歌を示し、二人で、頭を捻った記憶がある。今となっては、何に知恵を絞ったのかすら思い出せない。大川さんにお尋ねしたが同じ様である。
今、考えてみよう。
逐語訳
人も馬も旅の疲れで死んでしまったのだなあ、旅の寝が重なるにつれて消えてしまいそうになる微かさ
『海やまのあひだ』に収録されている有名な歌である。けれども、私は、今以って、逐語訳以上の解釈が出来ない。逐語訳すらも誤りがあるかも知れない。ただ、当時から、特殊な(構成の)歌だと思っていた。その特殊さを、過去に完全に拒絶した自分がいる。しかし、今ならば、受け入れられるかも知れない。好き嫌いの問題ではない。腹におさまるような理解をしたい。それだけは、分かる様になった。
【参考・引用文献】
『現代短歌全集』第五巻 筑摩書房(1980)
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