Karikomu

「かりこむ」は、八雁短歌会員を基とした短歌を学ぶ場です。

本日の一首 ー 釋迢空 

人も馬も道ゆきつかれ死にゝけり旅寝かさなるほどのかそけさ

 3年以上前だろうか、大川さん(八雁短歌会員)と一緒に勉強していた時期があった。その時に、大川さんが分からない歌として掲出歌を示し、二人で、頭を捻った記憶がある。今となっては、何に知恵を絞ったのかすら思い出せない。大川さんにお尋ねしたが同じ様である。

 今、考えてみよう。

逐語訳

人も馬も旅の疲れで死んでしまったのだなあ、旅の寝が重なるにつれて消えてしまいそうになる微かさ  

『海やまのあひだ』に収録されている有名な歌である。けれども、私は、今以って、逐語訳以上の解釈が出来ない。逐語訳すらも誤りがあるかも知れない。ただ、当時から、特殊な(構成の)歌だと思っていた。その特殊さを、過去に完全に拒絶した自分がいる。しかし、今ならば、受け入れられるかも知れない。好き嫌いの問題ではない。腹におさまるような理解をしたい。それだけは、分かる様になった。

        

【参考・引用文献】

  『現代短歌全集』第五巻  筑摩書房(1980)

 阿木津英『アララギの釋迢空』砂子屋書房(2021)

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*当面の間、月曜日・木曜日を目処とした週二回の更新になります。何卒宜しくお願い申し上げます。