Karikomu

「かりこむ」は、八雁短歌会員を基とした短歌を学ぶ場です。

2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

本日の一首 ー 杉下幹雄『俚歌』(2014)本阿弥書店

丹沢にゆふべ降りたるはだれ雪ひるをまたずに消えにけるかも 鐘楼のみどりの屋根のむかうには今年の桜二分か三分か 菜の花のまばらに咲きて捨て畑去年耘(くさぎ)りし人のゆくへや 花の枝にみどりはあさくさしそめてあかるき雨の通りゆくなり 野田の道風の…

大切な方々へ いつもKarikomuをご高覧頂き、本当に、有り難うございます。 諸事情により、次回の更新は、1月31日(月)となります。 折角に掲示板を開いて頂いた方へ、心よりお詫び申し上げます。 2022年も、心の換気をしながら、精進したく思っておりますの…

本日の一首 ー 小田鮎子

コンビニに水を買うため立ち寄れば二、三種類の水冷えている 小田鮎子『八雁』(2022年1月号) p4 この歌は、逐語訳の要らない歌である。歌集であれば「箸休め」としての役割を果たすであろう歌。小田氏は、時折、この様な無機質なものを素材として扱い、詠う…

本日の一首 ー 上妻朱美『姶良』(2021)砂子屋書房

わずかにも伸びたる爪が気にかかり午前二時ごろ起き出でて切る p42 ほとばしる水の下にて擦ったり回したりして大皿洗う p49 大蒜とローズマリーを惜しみなくオリーブオイルに鰯を揚ぐる p66 花びらの一枚いちまいに水くばる春の桜のよく機能して p67 無邪気…