Karikomu

「かりこむ」は、八雁短歌会員を基とした短歌を学ぶ場です。

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

次回の掲載日について。

ご覧頂いている皆様 いつも、Karikomuの頁を開いてくださり、本当に有り難うございます。 諸事情により、次回の更新は6月1日(火)になります。 何卒、御理解並びに御容赦頂ければとお願い申し上げます。 皆様に置かれましても、梅雨時、心弾ける日常があり…

本日の一首 ー前川緑(八・完)『みどり抄』跋文

下記に、『みどり抄』の跋文の要点を記す。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 『みどり抄』は一人の歌人の十五年間の作品集としては、数が少ない。その理由は、彼女の歌をみればわかる。 『みどり抄』を彼女の心の中であたためら…

本日の一首 ー 『現代短歌 第85号』を読んで。

『現代短歌』(85号)を拝読した。特集は「岡井隆の〈詩〉を読む」であった。多分に私には難解な箇所があるが、私がずっと考えて来たことをこの場を借りて、記したいと思う。 岡井隆氏は韻律に精通ー超絶技巧(p68)、超絶技術者、する者であった。韻律を短…

本日の一首 ー前川緑(七)

和泉川見つつしをれどなぐさまず遠きこころを秋風の吹く 僅かなるよろこび湧けと吾がいはずをさなごの手を引きて走りぬ 『恭邇の京址』 唉き匂ふ八重の桜ざかり見のあかぬかもこころは空に 『櫻 春日萬葉植物園』 雨風のいよよ荒びてゆふぐれぬ嵐の中の樹木…

本日の一首 ー前川緑(六)

匂ひなき何の花かもからからと夏の終りの畑に吹かるる ものの終りはかくあるべしや八月の土用波立つ海のはろけさ 『卵の殻』 なにものに追ひ立てらるる身か知らず水を覗けば棲む生きものら ふきちぎられし小枝のごとくふるへつつこの世の路に女はありしか 『…

本日の一首 ー 大川智子

旧姓をペンネーム欄に記しゆく偽りのなきわたしの名前 大川智子『八雁』(2021年・5月号) p26 <メモ・感想> この歌を初めて拝読した時、「偽りのなき」の意味が分からず、しばらく、そのままにしてしまっていた。「旧姓」=「偽りない自分の名前」という…

本日の一首 ー前川緑

奈 良 昭和十二年七月日支事變始まる この庭はいと荒れにけり下り立ちて見ればしどろにしやがの花咲く 朝闇をつんざきて來る銃の音ただならぬ時を額あつく居ぬ 奈良に住み西の山見る愁ありその夕雲に包まれやする 淺茅原野を野の限り泣く蟲のあらたま響き夜…

本日の一首 ー 佐藤有一

きつねそば食べんとかかうるどんぶりに京都「七味家」七味の香る 佐藤有一『八雁』(2021年・5月号) p78 <メモ・感想> 単純明快、明朗快活な一首。そう思える歌が歌として成している時、実は、細やかなところに創意工夫が施されていることが多い。少なく…

【2021年5月1日の再開に関して(関口)】

ご高覧を頂いている方々へ 本日、5月1日より、『Karikomu』の関口の欄を再開致します。つきましては、私事で恐縮ではございますが、眼に負担がかかり過ぎない様、週二回のペースにて、今後は更新を重ねて参ります。原則、月曜日・木曜日に更新しますので、ど…