Karikomu

「かりこむ」は、八雁短歌会員を基とした短歌を学ぶ場です。

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

本日の詩

「きらめきのゆきき ひかりのめぐみ にじはゆらぎ 陽は織れど かなし。 青ぞらはふるひ ひかりはくだけ 風のしきり 陽は織れど かなし。」 《中略》 「にじはなみだち きらめきは織る ひかりのおかの このさびしさ。 こほりのそこの めくらのさかな ひかりの…

本日の詩

「ほろびのほのほ湧きいでて つちとひととを つつめども こはやすらけきくににして ひかりのひとらみちみてり ひかりにみてるあめつちは ・・・・・・・・・・・。」 宮澤賢治 『十力の金剛石』福武書店(1983) この詩を前に、私の、私の、孤独など、これっ…

本日の一首 

この花も終ると思ふわびしさに夕寒む寒むと剪り惜しみつつ 江口きち 『江口きち歌集(『武尊の麓』)より 』 至芸出版社 (1991) 色々な本と色々な出会い方をする。その人その人によってそれは違うものである。私が「江口きち」の名を聞きかじったのは、五…

本日の一首

ついに地がうごきいずると思うまで見あげてあれば脚はさむしも 村木道彦 現代歌人文庫『村木道彦歌集』 国文社 (1979) 「八雁」のS藤様の紹介で手にした歌集である。S藤様によると、塚本邦雄氏、岡井隆氏、寺山修司氏が60年代から70年代にかけて「前衛御…

本日の一首

春庭(はるには)は白や黄の花のまつさかりわが家(いへ)はもはやうしろに見えぬ 青い野にトンネルをうがつ阿呆等よわれはあちこちの雲をとらへる 夜なかごろ窓をあければ眼(ま)なかひの星のおしやべりに取りかこまれぬ 石川信雄『cinema』 ながらみ書房(…

本日の一首

不機嫌なあなたが好きと黒板に書きし十五の春のゆふぐれ ためらひてとぶ鳥ありや南風に擁(いだ)かれてわがおくつきは建つ 軍神になれざりしかな回天の錆びゆく春の夜も更けにけり 教卓にクリームパンの置かれゐてああなんとなく旅に出やうか だから心配し…